高校生の原付講習2006

今年もやってきました、【秋の交通安全運動】。
毎年、春と秋は国土交通省の呼びかけで全国的に交通安全キャンペーンが行われています。

今回は9月25日、千葉県の上総自動車教習所（君津市）で県立君津青葉高校の生徒さんを対象に行われた『原付安全運転講習』を取材させていただきました。

このところ、全国的に飲酒運転での検挙が続くなど、交通事故の件数がますます増加しています。事故を起こさない・巻き込まれないよう、注意して走行することはもちろん、日頃から交通に関するモラルを高めることが大切と思われます。

そんな中、こういった講習会を開催することは非常に意義のあること。
講習会は君津警察署の協力を得て、機動隊による模範走行が行われるなど盛り上がりを見せました！

この原付講習は、千葉県立君津青葉高校が通学路の関係で原付バイクの乗用が許可されている生徒のため、2005年から年に一度行っているもの。今年は2回目の開催となります。

「交通事故回避のため、バイクの運転は全面禁止！」としてしまう高校が多い中、「通学でバイクに乗らざるを得ない生徒のため、どのように安全を守るか」という姿勢で積極的にこういった講習会を開催する高校はなかなかありません。ぜひ伝統として、今後も長く続けていっていただきたいですね。

2回目となる今年は、去年参加した生徒もいて全体的になごやかな雰囲気。
君津警察署の協力により、去年はなかった機動隊（白バイ）による模範走行のエキシビションもあり、大いに盛り上がりました！

まず、原付講習会の会場『かずさ自動車教習所』のコースを走ります。
ひととおり全員で走ってだいたいのコースを覚えたら、一人ずつ走行を開始。

コースはまず普段はあまり走ることのない一本橋からスタート！
落ちないようにバランスを取りながら、ゆっくり走行するのがポイント。

その後は直線コースから時速30キロ以上を出して急制動、悪路（波状路）、狭路（クランク）、路地からの自動車の飛び出し、見通しの悪い交差点の通行、以上でゴール。

見たところ、「急ブレーキをかけつついかに安全に止まるか」という急制動のところでは急制動そのものの意図があまりつかめていなかったのかも？　充分にスピードを出し切らず、軽ーく止まってしまう生徒さん多数。せっかくの指導を受けられるチャンスだったのに惜しい！

地面の凹凸を想定した波状路では、こんな状態の道を走行することはほとんどないため、にぎやかな声が上がっていました。めったにないとはいえ、阪神大震災の際はクルマが通行できない悪条件の道路をバイクが大活躍したという例もあります。万一に備えて、経験しておいて損はないはず。

他にも生徒が左折してきたところに待機していたクルマが飛び出したり、さりげなく踏切があったり、いたるところにチェックポイントが設置されています！

さて、実際にコースを走り終わってみてどうだったでしょうか？
高校生のみなさんに感想を聞いてみると、

「まあまあ走れました」
「波状路はもうガッタンガッタン大変だった」
「一本橋は誰が一番長かったですかー？」

などなど、大にぎわい。前回参加した人も多く、緊張感が取れてとても楽しそうでした！

さて、コースの走行終了後は、機動隊によるエキシビション。
2名の隊員の方が来てくださって、生徒が走ったのと同じコースの模範走行と大型バイクならではの見ごたえあるパフォーマンスを見せてくれました。

スピードとバランス、800ccの大型バイクを自在に操る姿に、見ていたたくさんの人たちからは「早い！」「逃げられない！」（？）との声が。

走行を終えた機動隊の方は「逃がしませんよ。それが仕事ですから」とキッパリ語ってくれました…みなさん、走行中に止まれの指示が出たら従ってくださいね…。

今回の原付講習を担当してくれた榎本指導員からの総評によると、踏切を止まらずに通過してしまう人も多かった前回に比べ、今回は一時停止がほぼできていた等、全体のレベル向上も確認できたようです。
やはり講習を受けると受けないとでは違いますね～！

こうして指導を受けながら、いろいろな仕掛けのある教習所のコースを走る経験はなかなかありません。できる限り有効な経験とするために、各チェックポイントの理解を深め、実際の走行に役立てられればいいですね。

こういった交通安全に関する講習会が各地で行われることによって、「地域の安全のために自分自身が参加する」という意識が育まれていくことに期待します。
今後も続けて開催していってほしいですね！