教習所 > 運転免許の基礎知識 > ソボクな疑問を解決&解説 > 違法駐車取締り規制(続報)
道路交通法の一部が改正され、2006年6月1日から施行となりましたね!
今回の改正で特に注目されたのは、
でした。
薄いグリーンの制服を着て、携帯端末を首から下げた駐車監視員の活躍する姿を見た方も多いのではないでしょうか?
施行1日目は、全国各地の違法駐車車両がたくさん停まっていたような道路にもほとんどクルマがなく、スッキリした道路が印象的でしたね。初日から大きなトラブルもなく、検挙数もぐっと少なかったとのことで、全国でドライバーたちが自主的に「違法駐車をしないように」と意識していたのはなかなかいい滑り出し。
警察による事前の広報や、マスコミの報道によって「取締りが厳しくなるらしい」という情報が行き渡っていたという効果も大きいようです。
この調子で今回の改正が順調に進んでいけば、首都圏の渋滞緩和も促進できるかも?とはいえ、まだまだ問題点も指摘されているようです。
施行から約1か月たって、今回の道交法改正はドライバーやドライバーの周辺にどう影響しているでしょうか?
近くに駐車場が確保できない場合、どうしても路上で作業をせざるを得ないのがこれらの企業ドライバー。
企業によっては「配達時の駐車場をあらかじめ確保しているため問題なし」というところや、「2人体制でクルマに乗り、配達中も必ず一人は車内にいるようにする」という手段を取るところもありますが、個人経営の企業などはそういった対策も難しいようです。
例えば、駐車場のないコンビニ等への荷卸し。
従来はハザードランプをつけて路肩に停め、手早く作業を行っていましたが、“違法駐車取締り規制”によって施行以降は取締りの対象となっています。
民間委託の駐車監視員からすれば、たとえ仕事で路上駐車をせざるを得ない状況でも“違法駐車車両の間に不公平が生じないよう一律に取締まる”と定められているため、ドライバーがたとえ1分でもクルマを離れていれば摘発となってしまうわけです。
近隣の駐車場を借りる、2人体制を徹底する等々、対策を講じるにしても多大なコストがかかってしまうため、ドライバーと企業にとっては頭の痛い問題。
また、現行の“違法駐車取締り規制”では、引越し作業中にトラックが取締りを受けてしまう可能性も実際にあります。
そのため引越し業者の中には、あらかじめお客さんに駐車スペースを確保してもらったり、駐車場を使用した場合は駐車料金をお客さんに負担してもらったり。
場合によっては、引越し作業そのものをお客さんに手伝ってもらったりせざるを得ないということも…(実際にある事例です)。
これは企業にとっては大きなリスク。
「それなら他の業者に頼む」とお客さん離れが進んでしまうかもしれません。
しかし現在、この厳しい“違法駐車取締り規制”の対象外となっているクルマがあります。それは、ゆうパックなど郵便小包を集荷・配達している郵便局の集配車。
郵便物の集配車に関しては、もともと公益性に配慮する意味から“駐車や進入禁止などの規制から除外”されており、今回の取締り強化からも同様に除外されているんですね。
しかしこの特例に対し、同業の民間企業からは批判があがっています。
「郵便小包は優遇されて、競合する民間企業の宅配が規制されるのは不公平」
「いずれ民営化となるのに優遇措置が取られているのはおかしい」
などの声が出ていることも含め、警察庁では貨物の集配などに配慮して、駐車規制の見直しを検討しているとのこと。 仕事でクルマを使わざるを得ないドライバーに関しては、何らかの規制緩和があるといいですね!
今回の“違法駐車取締り規制”によって、駐車場の必要性が高まりました。
「検挙されて違反金を払うよりはパーキングに入れておいた方がマシ」というドライバーの正直な声を反映して、コインパーキングはどこもいっぱい…という現象が起きているのでは? これからは空いている駐車場をめぐって、ドライバー同士の争奪戦が繰り広げられるかもしれません!
そういったニーズに合わせて、駐車場の空き情報を携帯電話から検索できるサイトや、駐車場を効率的に探すための地図が発売され、好評を得ています。
中には、駐車場の利用料金や営業時間・収容可能台数だけでなく“取締り重点地域”の情報もわかるものがあるようです。マップならクルマに入れておくだけで必要なときに見られるし、1冊持っておくと便利。
言うまでもないですが、携帯や地図帳を見ながら運転することのないよう、くれぐれもご注意くださいね!
警察庁または各地域管轄の警察署のサイトでは、民間委託の駐車監視員の活動する“重点路線”“重点時間”などの情報が公開されています。
前もって、よく使う道路周辺の活動状況を知るための参考になりますよ。
“違法駐車取締り規制”は、まだまだスタートしたばかり。内容が実情にそぐわない部分もあり、これから調整期間が必要かもしれません。
意見交換を重ねて、少しずつ実際的な制度になっていくことを期待しています!
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